2024.06.12 お知らせ

アラヤ チーフリサーチャーの濱田が筆頭著者として執筆した論文が英科学誌『Nature Communications』に掲載されました

2024年5月16日付で、株式会社アラヤ 研究開発部 チーフリサーチャーの濱田が筆頭著者として執筆した論文「Optogenetic activation of dorsal raphe serotonin neurons induces brain-wide activation」(DOI:https://doi.org/10.1038/s41467-024-48489-6)が英科学誌『Nature Communications』に掲載されました。
本研究は、国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)が研究推進を担うムーンショット型研究開発制度 ムーンショット目標9「2050年までに、こころの安らぎや活力を増大することで、精神的に豊かで躍動的な社会を実現」の助成を受けており、濱田は目標9の中にあるプロジェクト「逆境の中でも前向きに生きられる社会の実現」(山田真希子PM) の研究開発項目1-4「前向き指標の作成と計測」に課題推進者として参加しています。

概要
沖縄科学技術大学院大学(OIST)と 慶應義塾大学医学部先端医科科学研究所の共同研究チームは、覚醒下マウスを用いた実験において、光遺伝学と高磁場MRIを組み合わせ、背側被蓋縫線核からのセロトニンが行動や意欲に関わる脳の多くの領域のBOLD信号*1)を上昇させることを初めて明らかにしました。

今後の展望
本研究で得られた知見により、脳機能理解の深化と抗うつ薬などうつ病の薬理療法の原理の理解が進むことが期待されます。さらに、セロトニンシステムの複雑なメカニズムの解明が進み、将来的には精神疾患に対する効果的な治療法の開発にも貢献することも期待されます。

本研究に関する詳細な解説は沖縄科学技術大学院大学より発表されたリリースを御覧ください。

用語解説
*1)BOLD(Blood-Oxygenation Level-Dependent)信号:脳の酸素代謝に関わる信号で、MRIを使用して脳の活動を計測する際に用いられる。電気的な神経活動の信号の代用として用いられる

関連リンク
濱田太陽 メンバーページ
“Optogenetic activation of dorsal raphe serotonin neurons induces brain-wide activation” (Nature Communications)
「脳に光を当てる!セロトニン中枢が刺激されると何が起こるのか?」(沖縄科学技術大学院大学)
ムーンショット型研究開発制度 目標9「逆境の中でも前向きに生きられる社会の実現」プロジェクトページ