株式会社日建設計、株式会社日建設計総合研究所、東邦ガス株式会社、住友商事マシネックス株式会社、株式会社アラヤは、AIで既存の地域冷暖房における課題を解決する「AI地域冷暖房(通称 AIちれい)」を開発しました。2022年5月から、名古屋栄三丁目北地域冷暖房において「AIちれい」の実証実験を行います。
地域冷暖房は、地域における未利用エネルギーを活用しながら、エリア単位で冷暖房用のエネルギーをまとめて製造、地域の複数建物に供給することで環境性・経済性・防災性を高められる都市インフラの重要なシステムです。2050年のカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に向け、CO2削減効果が見込める地域冷暖房は熱エネルギー分野で着目されています。
■既存の地域冷暖房の抱える課題
国内の地域冷暖房は1970年代から高度経済成長による大気汚染対策として導入が進み、現在では全国に133件の施設があります。これらの既存施設は竣工後20年を経過したものが約90%を占めるなど省エネ性能の低下が進んでいます。また、需要家側の状況を正確に予測し熱源を運転させることは経験豊富なオペレーターの知見をもってしても困難なため、運転方法の見直しも含めて改修による省CO2化は必須の状況です。さらには既存だけでなく、大規模開発で新設される地域冷暖房においても、需要家側の冷暖房の状況を反映して効率的に運転することはカーボンニュートラルには不可欠です。
■省CO2・ローコスト・短工期を実現する『AIちれい』の開発
今回開発したのが、AIによってこれらの課題解決を目指す「AIちれい」です。AIプログラムを組み込んだエッジパソコンを設置し、運転データを読み込ませるだけで、ローコストかつ短工期で省CO2を実現できるようになります。エッジパソコンを設置するだけなので、運転を止めることはありません。